ギリシア文字GREEKとキリール文字CYRILLICのJISとUnicode、そしてInDesign

昨日、合成フォントの件で「これで、ギリシャ文字を指定すれば、日本語フォントで全角扱いされた哀れなギリシャ語を救うことができる。」と書いた。

ところが、今日Twitterで、こんな呟きを見た。

 

>#UTR50 http://unicode.org/forum/viewtopic.php?f=35&t=331 を追いかけていて、

>「ギリシャ語とキリル文字は今や横向きになりました。」という文章を見つけました。

>UTF-8の時代でギリシャ文字とロシア文字を半角(orプロポーショナル)で表示できる

>ようになっていますか?

 

縦組でどうなるか検証しないまま、「フォント依存です」とリプライしてしまったが、果たしてどうなのか。

 

まず、「特例文字」でギリシア文字とキリール文字のセットを作り、欧文OTFフォントを割り当ててみる。

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ネット上からギリシャ語とロシア語の会話の載ったページを探し、適当にコピペしてテキストを作った。

(外出先からiPhoneで探した。iPhoneでギリシア文字がプロポーショナルに表示されることは分かった)

(テキストエディットでもプロポーショナルに表示している)

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これをInDesign CS3に配置する。フレームグリッドがヒラギノ明朝体ProNの場合には、ギリシャ語もロシア語もヒラギノで(全角形で)組まれてしまった。さらにギリシャ語には文字化けも見られる。

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次に合成フォントを指定して配置すると、綺麗に組むことができた。ここまでは昨日の検証通り。問題はこのあと。

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同じものを縦組にしてみると……、あれあれ正立してしまった。ピリオドやカンマ、感嘆符は横倒しなのに。

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おまけにギリシャ語の中でおかしなことが起こっている。

先ほど文字化けしていたものが、ギリシア文字にはなっているのだが、他と同じく正立したもの(青)、横倒しになったもの(赤)、2字で縦中横になったもの(緑)と、まあ訳の分からないことに。

 

推測すると、JISで定義されている(あるいはShift_JISに存在する)ものは、欧文フォントにも拘らず和文フォントと同じ振る舞いをするということなのだろうか。

今度はヒラギノで配置して文字化けしてしまったギリシャ語部分を手作業で、欧文フォントに変えてみた。

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すると、綺麗に横倒しですべて組むことが出来た。縦組の場合には合成フォントによる方法はだめだが、Unicodeのコードポイントは維持されているということだ。

ちなみに、昨日の話題、全角形の英数字を選択して無理矢理欧文フォントを指定(オーバーライド)してみたが、やはり化けるだけだった。

CS6ではどうなったのか、どなたか追試をしてくださるといいのだが。