IPA変体仮名仕様書の字母(た行)
今回の入札では、IPAmj明朝の仮名に合わせたデザインが要求されている。
そこで、いくつかのDTPフォントとIPAmj明朝を比較してみた。
学参フォントのG-OTFリュウミンは別にして、IPAmj明朝は脈絡(筆のつながり)を切り離す傾向が強いことが分かる。我々が活字資料として掲げているものは、ほぼ築地体前期五号仮名と同じデザイン指向といえるから、IPAmj明朝に合わせるということは続いている筆の流れをどこでどう切るかという判断が必要になる。もちろん秀英明朝のようなクラシックなデザインのフォントに合わせるなら問題ないのだが。
さて、た行の字母。
69太 70多 71堂 72當
73千 74地 75知 76遲
77川 78津 79徒 80都
81天 82弖 83亭 84傳 85轉
86斗 87止 88東 89度 90登
太字は変体仮名のグリフが複数ある。
「多」には、
と
とがある。住基仮名でも、
同じだ。
「知」では、
と
がある。
「天」の場合は、
最後に筆を返すかどうかの違いなので、包摂できなくもないが。
「登」も二種類、住基仮名にある。
その他の字母では、
「手」(て)や 「帝」(て)
などがあり、また濁音専用の仮名として、
「駄」(だ)
「路」(ぢ)
「頭」(づ)
「千」を字母とする変体仮名は、
こんな形になるが、これが住基仮名だと、
となって、明らかにおかしい。
難しいものだ。