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文楽のウィドウ・オーファン

先日も、お誘いがあって文楽鑑賞に行ってきたのだが、変なことが気になってしまって、どなたか詳しい方に教えを請いたいと思いつつそのままにしている。

 

それは一段の終わり、太夫が

〽胸の強弓矢襖を引き開け……

と語り切って(とは書けない。どうにも終わっていないところまでを語って)頭を下げ、場内拍手。で、くるりと回って別の太夫と三味線が登場。紹介の後、

〽てこそ入りにける/されば恋する身ぞ辛や

と語りだしたことだ。

 

前の段の最後をなぜか次の段の頭に語る……。

そしてその段の最後も、

〽引き分か……

で終わって、くるりと回って次の太夫が、

〽れてぞ忍ばるる/迷ひはぐれし

と続けるのだ。場内で売っている床本を見ても、

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わざわざ間に小見出しが入っている。

 

これは演出なのだろうか、ちょうどテレビ番組でCMを挟んで同じシーンを被せる演出と同じように……。

それとも、床本を適当な所で分割して太夫に割り振ったために、最後の一行がウィドウとなって次の段の太夫の手に渡り、そのまま演じているのだろうか。

 

文楽の床本の本物は見られないので、国会図書館の近デジで、出板された稽古本や丸本を見てみたのだが……

 

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浄瑠璃稽古本

http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856493

 

 

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浄瑠璃丸本

http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/856576

 

稽古本はピッタリ丁が変わっているし、丸本は後ろの段の二行がオーファン状態であるが、行は変わっている。

 

本によって一行の字詰めも違うわけで、本番用を見ないと謎は解けないようだ。

 

やはり詳しい方の教えを乞うしかない。