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不老ふ死温泉ってなんでひらがな交じりなの

という疑問に屋上屋の例が現れた。

まずはこちら。

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見定めて帰つたは天成(みさだめてかえったはてんせい)

不思議のなす所御寿命は(ふしぎのなすところごじゅみょうは)

 

と書いてある。一行目の中ほども読めないが、まずは二行目の頭を見てほしい。

「ふ思議」としか読めないが、「ふ」は「不」の草書からできた仮名なので、ここは「不思議」と読むほかない。で、もうひとつ、

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子供集て読書の器用(こどもあつめてよみかきのきよう)

ぶ器用清書を顔に書子と(びきようきよがきをかおにかくこと)

 

二行目頭、普通は「不器用」と起こす。しかし、はっきり濁点が書いてある。漢字に濁点つけちゃいけないとは言わないが、付いてればやっぱり仮名だと考えたい。

(一行目の最後の「用」の左の「ノ」がないのも気になるけど間違いじゃなくてこう書くこともあったのだ)

 

何が言いたいかといえば、この書物では漢字と仮名とをあまり区別していないということ。「ふ」は「不」だし、それは「ぶ」も「不゙」も同じだということ。

 

「とも」と読むときは平気で「共」と書く(「よいとも」を「よい共」とか、「ちっとも」を「ちつ共」とか)し、「不思議」を「ふしぎ」と書くこともあって、

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母様か我子かと御親子ふし(ははさまかわがこかとおんおやこふし)

ぎの御対面源蔵夫婦横(ぎのごたいめんげんぞうふうふよこ)

 

行が分かれているせいなのかどうか。これも不思議なことではある。

 

(画像はすべて『菅原伝授手習鑑』の丸本より)