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近デジと戸籍統一文字情報で「亀/龜」を探してみたら

統合新装なった近代デジタルライブラリーで初検索! というわけでイソップ物語とそれを題材にした童謡があるだろうとあたりをつけて「兎と亀」で検索してみた。ちなみに「兎と龜」でも同じようにヒットする。52件の中身を見てみると、明治・大正の書籍なのでほとんど(43/52)が「龜」で揃っていた。

で、例外を見ていく。

まずは、大正13年の『イソップ童話』1(春秋社童話文庫 ; 1) / 春秋社 訳編 (春秋社, 1924)。

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見出しは「亀」で本文(目次も)は「龜」になっている。

 

次はイラストで『玉広画集』下村玉広 編 (本田金之助, 1925)。目次は活字で「龜」だが、イラストの下に手書きでタイトルがあり、それは「亀」。

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こちらは整版本の『訓蒙話草』福沢英之助 訳 (福沢英之助, 1873)。「龜」の異体字で右側が「目」になった形。

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楽譜集で『最新昭和小学唱歌伴奏』日本教育唱歌研究会 編 (日本唱歌出版社, 1935)。目次は「龜」だが楽譜のタイトルは「亀」。

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大正琴の教本(『大正琴銀笛独まなび』(十字屋楽器店, 1915))でも、目次は明朝体で「龜」、本文タイトルのゴチックは「亀」。

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同じような『鉄心琴独まなび』岩崎亀次郎 著 (十字屋楽器部, 1903)。

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不思議なのは、この二冊。

44日文教程. 第一編 図書 成城学校 編 (成城学校, 1903)

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45日文教程. 第1編 図書 田村松之介 編 (成城学校, 1906)

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同じ学校の副読本だが、意識的に字体を変えていることが見て取れる。本文も目次とそれぞれ同じ字体で書いている。

文部省の力が働いているような気がするのだが……。

 

さて、一方人名漢字の話に戻れば、「亀」の字は人名用漢字なので、子供の名付けに使えます(って安岡さんのマネ)、「龜」は許容字体になっていないので名付けには使えない。ただし、亀田さんだの亀山さんだのの戸籍には旧字や異体字で登録されていることがけっこうあるだろうから、「龜山亀二郎」さんなどという名前があってもおかしくはない。これを「亀山亀二郎」にすることはできるが、「龜山龜二郎」にすることは(戸籍上は)できないわけだ。

戸籍統一文字情報で「き,かめ」で検索してみた。9件のヒット。

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まだあるのかも知れないが、とりあえずこれだけ。それにしても551940と551960の違いを説明しろといわれたら私は逃げる。

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だいたい、戸籍統一文字の親字・正字って、どれだけ錯綜してるんだ!

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本日はこれまでとさせていただく……