二重引用符の“double quote”と〝ノノカギ〟について（7）

まだしつこく続いている。やめたいが落としどころが見つからない。

今回は「英語では“boy”、日本語で“坊や”、そう呼ばれる年頃なのだった。」という原稿をAdobe InDesign CS6で組版するという挑戦。
挑戦ってアナタ、何をオーバーなと言われるだろうが、これが200ページくらいの小説の一節であるとお考えいただきたい。200ページを一字一字手作業で直すのは御免蒙りたいわけで、そういう挑戦である。
予備作業として横組で流し込んでみたところ。フォントも未定の状態。文字組みもデフォルトの「行末約物半角」のままである。

「は“」間のアキが中途半端、「“坊」間はベタにしたい。これは「“」がデフォルトCID108になっているからで、「情報」を見ると「始め括弧類」となっているものの欧文扱いなのでアキ量設定が反映されないし、和欧文間の四分アキが発生している。

小説中には結構英文が出てくるので和欧文間のアキは設定に残しておきたいとなると、StdかProフォントを使うことになるか……。しかしStdでは出ない漢字があるだろう。ではProフォント（ヒラギノや小塚でないもの）を使うしかない。

フォントを変えるとこんな具合。おっと、縦組じゃないといけません。

みっともないから引用符をノノカギに……、そうだ、Proフォントなんだから「環境設定／組版」の「縦組み中で引用符を回転」をOFFにすればいい！

と、「英文は同じフォントじゃなくて欧文フォントを使いたい」という欲が湧いてくる。
「検索と置換」で……、

こうすれば、

一発。
ちょっと待て、たとえば「だ。“Yes,” he said. それ」のような文章があったらどうする。

これじゃよろしくない。
こういう時は正規表現置換がある。
「“(?=[A-Za-z])」と入れて、

うまくいった。後ろはカンマとピリオドも加えて
「(?<=[A-Za-z.,])”」でいいんじゃないかな（数字はとりあえず無視）。

はい、成功。

これでよし、と思っていたら、やはり本文はPr6Nフォントを使うことに方針変更。
「フォント検索」で、

すべてを置換して、

元の木阿弥……、いや、欧文がらみのものはフォントが変更済みだから、残った「“”」を「〝〟」に変えてやればいい。

この状態なら
「環境設定／組版」の「縦組み中で引用符を回転」をONにしても変化はない。

大成功！

喜んでる場合ではない。検索にうまく引っかかってくれない問題について書こうとしたのに、今日はなぜかちゃんとマッチする展開になってしまった。

やり直し。次回はいつかな。